模倣する心理

自殺者数<二次被害負傷者数らしい。自殺者は多くが単独、救助者は複数。当然といえば当然。
大阪だけでも19人も硫化水素自殺者が出ていることに驚いた。模倣の連鎖は止まらないのか。ネットで硫化水素での自殺方法関連の書き込みを規制したにも関わらず、一向に減らない。情報なんて探せばいくらでも手に入るし、規制で防ぎようがない問題か。単にお手軽な方法なのか。私は詳しい方法を知らないんだけど、これだけ多くの自殺者が出回るってことは簡単な方法なんだろう。
報道による情報拡大と模倣、というのが今回の硫化水素自殺においてにたびたび問題になっているわけだけど、この模倣犯の心理というのが私には分からない。そもそもこういう他者に対して影響を及ぼす方法を選ぶ自殺者の多くは、何か主張したいことがあって世間の注目を集めるために自殺するんじゃないのか?悲惨な俺の現状をみてほしい、いじめられてる苦しみを知ってほしい、酷い世の中で困窮してる俺の主張を知ってほしい…。そんな動機だったら、流行の犯罪モデルや自殺方法というのはミスチョイスじゃないのか。「模倣」の一言で片付けられたら悔しいじゃないか、せっかく勇気を振り絞った意味が半減するじゃない。
俺に注目しろ!っていう人はそんなにいなくて、「みんながやってるからやってみよう」という軽い感じなのか。同じ方法をトレースすることで連帯感を感じるのかな。やけっぱちで、周りも巻き込んで自殺してやる、なんてのが一番厄介。今この方法が流行ってるから同じ方法でやれば注目されるんじゃないか、なんてトンチンカンな考えの人もいるのかも。注目されて記憶に残るのはオリジナルのみで、あとは模倣犯として忘れ去られていくのみ。
自殺者は、それまでの人生で薄れてしまったアイデンティティを最後に一瞬でも取り戻す意味で自殺する。そこに主張や遺言を添付する。その際にオリジナリティのない模倣行為を選ぶことは、アイデンティティ奪還という目的から矛盾している気がする。

硫化水素自殺 相次ぐ二次被害に厳しい姿勢
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080716-00000929-san-soci
硫化水素自殺はインターネットの書き込みをきっかけに増え始め、今年に入り多発した。大阪市城東区で発生した事件は巻き添えを狙った極めて悪質なケースだが、巻き添えを意図しない場合でも2次被害が相次いでいる。大阪市内では巻き添えによる負傷者が自殺者の数を上回っており、警察は厳しい姿勢で臨むという。